2010-11-19

10/18:最後の仕事

今日は2年間働いてきたこの病院で最後の仕事の日。今日の外来で仕事は全て終わる。そう思ったら朝からなんだか気合いが入った。いつもはどんどん新患が来ると、「うーむ・・・」と少しウツになるところだが、今日はマラソンランナーが最後に競技場に入ってきたような感じで、長いようで今思うと短かった2年を42.195キロに置き換えつつ感慨に浸った。いつもなら、聞いてない話を延々としゃべり続けるおばあちゃんに「わかりましたよ〜、ただ今はちょっとその話じゃなくて、症状の話に的を絞りましょうか〜」とスパッと話を切るわけだが、今日だけは、「ほほう、そうですか、そうですか」と聞き入り、いつくしむような慈愛に満ちた外来ができた(ホントか?)。


レイチェルも婚約おめでとう、ですよ。ほんとに。いつも大忙しでてんてこ舞いになって愚痴をこぼしながらも、診察室のドアをノックするときには、とびっきりの明るい声で入っていくそのプロ根性は勉強になりました。勉強になったといえば、ボスの外来での使い古しジョークも勉強になった。ひさしぶりに会う患者さんには「Why are you getting younger? なんで若がえってんの?!」、患者さんが腰が痛くてなどと言い始めると「I don't know much about things below the neck. I am just a dumn brain surgeon. (ここで患者さんは爆笑)」 必ず家族全員に自分の名刺を渡し、「I don't want you to fight over my name card」。「What date is it?」と日付を聞かれ、「○日ですよ」とボスに答えると、「All day?」今日一日ずっとそう? とか。ともすると自分の経験を深めたくてgreedyになり手術の適応を誤りがちなsurgeonであるが、ボスは常に「My patients are my family」と繰り返し教えてくれた。まさにMentorと呼ぶにふさわしいボスで、このような人と一緒に働けて自分は幸運であった。思えば、自分は人生の重要なところでいつも素晴らしい人に出会って助けてもらっている。この幸運さはちょっと自慢したいくらいだ。これからもいろいろ助けてもらいたい...じゃなくて、これからは自分がそういう人にならなければ、だな。
最後にレイチェルからすごく長い手紙をもらった。「もう明日からの外来は○○(僕の名前)がいないから同じものにはならないよ」、と。なんと言っていいかわからない。感謝感謝。

0 件のコメント: